日本語・英語発想比較メモ

◎本で学んだこんなこと

『"する"と"なる"の言語学』 池上嘉彦著(大修観書店)
『英語の発想〜翻訳の現場から』 安西徹雄著(講談社現代新書)

名詞の英語、動詞の日本語

英語を訳すときにやっかいなのが、頭でっかちな長い名詞句の主語。同じように名詞にして訳さずに、動詞で表現して訳すと日本語らしくなりますよね。

逆に日本語の表現にしたがって、ひとつひとつ動詞を使って英語に訳しネイティブに見せると、名詞の束になってかえってきます。

日本語は動詞で文章を終わらせながら話すので長いです。
英語は、"思い→単語に凝縮"って感じでしょうか。
短い言葉(名詞や形容詞+名詞など)にしてしまいます。
その結果、「モノ」を主語にすることも多いですね(無生物主語)。

何を主語にするかによってそのあとの文章の形が決まるので、英語の主語はとっても大事。主語を工夫すれば、いつもと違う文章が必然的にできてきます。make,give,take,have,putなどつける感覚がわかってきます。

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英語は名詞中心→「もの」を捉えて「する」と表現。
「もの」と「もの」の関係を分析。

日本語は動詞中心→「こと」を捉えて「なる」と表現。
情況をまるごとすくい取る。

A slight slip of the doctor's hand have meant instant death for the patient.

・「医者の手がほんのわずかに滑る」という出来事を、これに密着した形で言語化するのではなく、その中から、わざわざ「滑り」という名詞的要素を抽出し、これを中心にして、前後に形容詞、あるいは前置詞名詞+という形容詞句を配して"、A slight slip of the doctor's hand"という名詞句にまとめている。

・"would have meant"と、動詞が仮定法過去完了の形になっていることから、さらに「もし、医者の手がほんのわずか滑っても」という、条件節に当たる役割まで負わされていることに気がつく。

Do you know of the millions in Asia that are suffering from protein deficiency because they get nothing but vegetables to eat?

構文に忠実に「直訳」すればこうなるだろう。
「食べるべきものは野菜以外には何物もないため、たんぱく質不足で苦しんでいるアジアの何百万の人々を知っていますか」

「もの」的な言い方−つまり、出来事の中から〔知る〕の対象として〔アジアの何百万〕という〔もの〕を取り出し、それに残りの部分を修飾的な叙述として結びつけた言い方」でしかない。
これを、日本語の〔こと〕的な発想法に置きかえて「意訳」すればどうなるか。

「アジアの何百万という人たちは、野菜以外に食べる物がないために、たんぱく質不足で苦しんでいること(の)を知っていますか」
これではじめて、「出来事をそのまま一つのまとまりとして、一つの節の形で表した〔こと〕的な表現になる。

日本語→「コト」指向 英語→「モノ」指向
情況ないし出来事を、できるだけこれに密着してまるごとすくい取ろうとする。あたかも情況が全体としておのずから成ったというように。 ある出来事が表現される場合、そこに何らかの個体(典型的には動作の主体)を取り出し、それに焦点をあてて表現する。「もの」がもうひとつの「もの」に働きかける関係として捉える。「動作主+他動詞+目的語」
「AがXであればBはYになる」 「XであるAがBをYにする」
「こと」的であると同時に「なる」型 「もの」的であると同時に「する」型
ex. 人々が他人と同じでありたいと願うのは自然だ ex. 人々の他人と同じでありたいという自然な願望

『"する"と"なる"の言語学』 池上嘉彦著(大修観書店)
『英語の発想〜翻訳の現場から』 安西徹雄著(講談社現代新書)より引用

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☆動詞表現(日本語)→名詞表現(英語)

表面だけを繕うような人→A superficial person

この写真を見れば、私がどんなところに住んでいるかがよくわかるでしょう。
This picture will give you a good idea of where I live.

人間についてさまざまな経験をしたので、私は、ただ頭がいいということを重んじなくなり、勤勉と体力をますます重視するようになった。
A varied experience of men has led me to set less value upon mere cleverness, to attach more and more importance to industry and physical endurance.

個人的関係に何を求めるかは文化ごとに大いに異なる。
Expectations for personal relationships differ greatly across cultures.


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