日本語・英語発想比較メモ

◎本で学んだこんなこと
「日本が見えると英語も見える」荒木博之著
第二部「モノローグ言語とダイアローグ言語」より

日本語は「〜してくれた」「雨に降られた」「親に叱られた」などの表現をよく使いますよね。日本語は英語でいう「受身」の表現が多いのですが、英語文法の「受身」の文を訳すと「〜された」になるからといって、「逆も真なり」ではないようです。

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「自然にそうなる」

・日本語は話し手も他者も環境をも意識しないきわめて独自のあり方を示す言語。
たとえば、電話で話していてその話なら弟の方が詳しいとなると、「弟と代わりますから」と言う。

「弟と代わりますから」のような表現はSもOもない不思議な表現。「代わる」というのは「ある物が退いて、その位置、立場に他のものが来る」(『日本国語大辞典』)の意味であり、本来、「いつのまにかある状態に移る」といった自然展開的なニュアンスをもった語。

「弟と代わりますから」という表現は、「わたし」も「あなた」も不在で、まるで空気がスーッと流れるように話し手が私から弟へと交替する、といった趣の表現。

☆フランス語や英語では、天候について「周囲などが寒い」と「自分の感覚として寒い」は同じことではない。
英語なら"It's cold", "I'm cold"

日本ではどちらの場合も「寒い」 こうした日本語の文章では寒さの感覚を持っている主体を決めることはできない。寒さは大気中にも、また、それを感じる人間の中にも同時にあり、この文章の情景全体に浸透しているといえよう。(オギュスタン・ベルク『空間の日本文化』)

・日本語で「おお 寒い!」などという場合は、確かに発語者も環境のひとつになって寒いのである。(自他合一)

・日本人は「自然展開(自然にそうなる)」を価値と考えている。

・日本語は自然展開受身
「私は父に叱られた」→「父は私を叱った」と言える。
→行為者は「父」

「私は父に死なれた」→「父は私を死んだ」とは言えない。
→行為者は誰?→「天」「さだめ」

「私は父に死なれた」ということは、私にとって、父が死んだという状態が天において、あるいは「さだめ」において成立した、ということなのである。

「私は雨に降られた」も同様に、「私」が雨にあうという状態が、「天」あるいは「さだめ」において成立した、という心的状態を「私は雨に降られた」という自動詞の受身形(日本語のまことに不思議な現象)と呼ばれる文構造によって表現したのである。

日本人にとっては物事の決定権は「天、さだめ」といった畏怖すべきものにあり、そこで決まったことであるという意識があり「〜された」と表現しているのではないか。

(「日本語が見えると英語も見える」荒木博之著)より引用
(☆は「空間の日本文化」オギュスタン・ベルク著)より引用

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"自分が行動をおこしてそうする"ではなくて"自然にそうなるもの"と実は考えている日本人。

「博多に行くことになって」「お届けは金曜日になります

「なり」→「時が自然に経過してゆくうちに、いつの間にか、状態・事態が推移して、ある別の状態、事態が現れ出る」
(『古語辞典』岩波書店・引用「日本人の心情論理」荒木博之)

日本語の「〜になった」は、"何かの力でなるべくしてなった"という日本語の言霊みたいなものを感じます。個人の意思で決めたはずのことが、日本語で言うと"自然にそうなった"という意味に変わってしまうかのようです。

私たちは当然日本語で考えたり、心の中でつぶやいたりしているので意識しづらいですけど。

日本語の「なる」と英語

新しい家に変わって通勤時間が倍はかかるようになった。
Now that I've moved to my new home, it takes me twice the time to commute to work.

以前の倍働くようになった。
He works twice as much as he used to.

★日本語を考えてまちがう例
「なる」を日本人の発想で英語にして「become」にしちゃだめです!

おもしろいのは上記の英文を日本語に訳そうとすると、どうしても「なった」となります。←くどい?これしかない。

「なる」日本語・「する」英語

以前の倍働くようになった。←こなれた訳、つまり普通はこう思う。
He works twice as much as he used to.

外国語と母語との関係は、お互いの考えが重なるところを探して置き換えるような作業でしょうか。上記の文では、欧米人は意志で"そうする"、日本人は何かの力で"そうなった"と言っているようです。

良く言われる「英語で考える」っていうのは、「日本語で考えない」って言ったほうがわかりやすいかもしれません。イメージだけ浮かべます。
特に会話中や聞いているときは、気持ち(思い)と英語だけ。
そうしていると、英語の感覚がつかめてきます。

日本語の気持ち「〜になる」英語の気持ち「〜をする」

日本語の感覚から英語にしようとすると、Be動詞を使った英文になりがちです。 しかし、欧米人にとってはBe動詞ばかりの文というのは、幼稚に聞こえると聞いたことがあります。

日頃、日本語で話すときはSVOなんて考えませんが、英語を話す時は意識が必要です。いわゆる他動詞というものですね。

一番強いものをまず言います(主語になります)。
次に、それがどうするか、何に対してか という順番です。

「私は日本語の教師です」

日本語から連想する英語→I'm a Japanese teacher.
                 (もちろんこれでOKです)

他動詞を使って言うと(SVO)→I teach Japanese.
                 (ネイティブはこちらを多用)

いつも英語は「する」が大事(ここでは"teach")
自己主張が大事です(笑)

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