◎本で学んだこんなこと
「日本が見えると英語も見える」荒木博之著
第一部「やまとことばと英語」より
「言語の違いは、貼り付けられたレッテルの違いではなく、対象世界を切り取る切り取り方の違いである」
とても新鮮でした。何がどう違うの?ってわくわく♪
民俗学や言語学っておもしろい!
荒木先生の本で多くのことを学びました。いくつかご紹介していきたいと思います。
---------------------------------------------------------------・オノマトペ(擬態語)を英語で表現しようとしても一語では無理。二語以上で表現してようやく日本語の意味に近くなる。
「さらさらした雪」→dry and powdery snow
「ふわふわの掛け布団」→a light, soft and comfortable quilt
「ピッチングはピリッとしていた」の「ピリッと」→「きびきびしていて容赦ない」と解釈→brisk and merciless
・やまとことばも
「ふっくらしたおまんじゅう」→「ふっくら」は「やわらかにふくれたさま」ただふくれているだけではないので swelledは使えない。
「ふっくら」にはなかに実がつまっているという感じがあるので、meaty を使って、→a soft, meaty and tasty manjyu
・(歯医者にて)ニ、三度軽く噛み合わせて、と言うところを日本の歯医者は必ず「カチカチして」と言う。あるいは奥歯をすり合わせて、と言うところは「ギリギリ」と言う。
↓
「カチカチ」は Bite down two or three times.
「ギリギリ」は Grind your teeth.
☆フランス語などの言葉は、知覚してから文章として表明されるまでに、数段階にわたる言語化がおこなわれる。
des criaillements(いやな叫び声)の言語化は
第一段階→語幹 cri
第二段階→不愉快な反復を示す aille
第三段階→接尾辞 ment による概念化
第四段階→語尾 s による複数表示
第五段階→この複数が不定であることを示す冠詞 des
言語化がなされるのに際して論理的、分析的に構築されていく。
・"英語は対象を論理的に分析しようとする"
"日本語は感覚的にあるいは絵画的に把握しようとする"
・オノマトペ的表現は、無限に創り出すことが可能。たとえば、アヒルの歩き方は、英語ではすでに概念化を遂げていてただひとつのwaddleというと語によって表現される。
日本語では、オノマトペを使うことによって幾通りにも表現ができる。
「よちよち歩く」、「ひょこひょこ歩く」、「よたよた歩く」など
このことは、日本人は対象世界をよりデリケートに、より微妙な違いをもって認知できるということを意味している。アヒルの歩くのを見れば、waddleという語しか思い浮かばない文化とは質的な違いがあるといわなければならない。
・われわれの前に対象世界がある。その対象世界を認知し、切り取る道具が言語である。そして言語の違いは、対象世界の切り取り方の違いを意味していると言えよう。
・インド・ヨーロッパ系言語は論理的・分析的に切り取ってゆく
→論理的に実証する力を創造する。
日本語は複雑系のまま切り取ってゆく。日本語が多義的であり、ファジイなのはひとえにその故である。
・日本語のように対象世界をファジイに切り取る力をもった言語は、未来言語的であるとさえ言える。このことは、人体を論理的、分析的に腑分けする西洋医学に対して、人体を総合的、相関的にとらえようとする東洋医学が未来科学的な一面をもっていることとよく似ているのである。
(「日本語が見えると英語も見える」荒木博之著)より引用
(☆は「空間の日本文化」オギュスタン・ベルク著)より引用
荒木先生はいちはやくこのことに気づき、まとめられた方です。
「国家の品格」では藤原先生が、「日本は情緒の文明である」とおっしゃっていました。
英語は話しかただけでなく、言葉つまり単語まで論理的なんですね。
ここまで論理でできていたとは...恐れ入りました(笑)
日本語は絵画的にとらえる。素敵です。昔、日本を訪れた外国人は「日本は妖精の住む国だ」と言いました。それほど美しい自然がありました。100年ぐらい前でそうなんですから、太古の昔はどんなにか!
日本の自然はとても繊細。そんな自然の中で育った日本人は当然、
感性がよその国とは違います。言葉(やまとことば)まで芸術的でした!
絵画的にものごとをとらえたので多義語となり、ひとつの言葉にはさまざまな要素が含まれています。悪くいえばあいまいな言葉。道具(言葉)があいまいでは、論理的に話すのも考えるのも難しい。日本人は論理が苦手。理由はいろいろあるけれど、これもひとつの理由でしょうか。
さだまさしさんがおっしゃってた蛍の話。
日本の蛍はやわらかく光ります。光りは色のグラデーションのように、弱くなったり強くなったり。フィリピンの蛍は違うそうです。はっきりしているんだそうです。「点いた、消えた」と、スイッチのような感じなんでしょうね。
さださんいわく、フィリピンの蛍は「イエスかノーか!イエスかノーか!」一方、日本の蛍は「イエスのような...ノーのような...やっぱりイエスのような...」(笑)
お国柄がこんなところにも♪(^0^)
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